17.03.2026

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東京科学大学 — JP news

東京科学大学におけるノロウイルスに対するモノクローナル抗体の研究

東京科学大学でノロウイルスに対するモノクローナル抗体の研究が進展し、感染症対策に新たな道が開かれた。

The numbers

ノロウイルスは世界で年間約7億件の感染を引き起こし、約100万人の入院、21万9千人の死亡をもたらす病原体である。このウイルスは、特に冬季に流行し、食中毒の原因として知られている。東京科学大学の研究チームは、このノロウイルスに対する新たな治療法として、モノクローナル抗体の開発に取り組んでいる。

最近、東京科学大学の田川純平氏と谷中冴子氏を中心とした研究チームは、ノロウイルスの主要流行株であるGII.4と新興株GII.17に対するモノクローナル抗体を作製した。この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて実施されている。

研究チームは、IgM抗体の特性を活用し、抗原密度が高いウイルス粒子表面で最大100倍の結合強化を示すことを定量化した。IgM抗体は10本の抗原結合部位を持つ多価構造であり、これによりウイルスの変異に強い抗体や広域に作用するワクチンの開発が期待されている。

さらに、研究チームはIgM抗体の動的結合を世界初で可視化し、表面プラズモン共鳴解析を用いて、抗体のFab数と抗原密度が結合力を劇的に高めることを明らかにした。この結果、IgM抗体の結合力はIgGに匹敵するレベルに達することが確認された。

ノロウイルスはRNAウイルスに分類され、20年以上にわたりGII.4系統のウイルスが流行している。ノロウイルスによる年間医療・社会コストは600億ドル規模に達し、感染症対策の重要性が高まっている。研究者たちは、この新たなモノクローナル抗体がノロウイルス感染症の治療において重要な役割を果たすことを期待している。

今後、研究チームはこのモノクローナル抗体の効果をさらに検証し、臨床試験へと進む計画を立てている。ノロウイルスに対する新たな治療法の確立は、感染症対策において大きな前進となるだろう。