球速は34歳にして最速159キロに達している。菊池雄星はメジャーリーグの強豪4チームを経て、現在のエンゼルスと年俸30億円の契約を結び、日本を代表する投手として成長を遂げた。しかし、意外なことにWBCには今年の大会が初めての出場となる。
これまで何度も要請があったが、すべて辞退してきた。その根底にあるのは「世界一健康なピッチャー」としてチームを支えるという信念だ。投手の価値は勝敗の数ではなく、どれだけマウンドに立ち続けられるかが基準だと考えている。実際、メジャーリーグでの7年間、菊池は一度も大きな怪我をすることなく、マウンドを守り続けてきた。
「野球は冬のスポーツ」という信念を持っている。シーズンオフの過ごし方が選手の本当の実力を示すと信じているからだ。そのため、故郷の岩手にトレーニング施設を設立した。このオフには、菊池を慕うメジャーリーグの日本人投手や期待の若手選手たちと自主トレを行ったが、彼らもついていけないほどの厳しいトレーニングで自分を追い込む姿が見られた。「50歳まで現役を続け、息子と一緒にプレーすること」が密かに抱く目標である。
普段は口数が少ない印象だが、今回のインタビューでは息子や妻との「素顔の日常」をカメラに収めた。妻の瑠美さんは、トレーニングに全ての資金を投じて貯金がゼロの状態で結婚し、「野球好き」の菊池を支えてきた。6歳の息子には野球に興味を持ってほしいが、彼自身はバレーボールに夢中だ。だからこそ「日の丸を背負って戦うパパ」の姿をぜひ見せたいと思っている。
幼少期から体格が小さく、技術も不足していたため、世代ごとの日本代表としての経験は持っていない。自分が特別な才能を持っているわけではないと理解している。そのため、体を鍛え、技術を向上させるだけでなく、「野球とは何か」を深く考察してきた。その哲学は13万字にわたる自著にまとめられている。
世界に挑戦するための特別な冬がやってきた。全身から流れる汗が、その決意を物語っている。
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